[コラム]書籍「遊びが学びに欠かせないわけ〜自立した学び手を育てる」のご紹介1(代表理事 安田光一)

この本の紹介を4回にわたって詳しくお伝えしながら、改めて遊びが学びに欠かせないわけを、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。できれば、皆さんがこの素晴らしい内容に満ちた書物を直接手に取って読んでいただくのがベストなのですが、そのためにもどんな事が書かれているか興味を持っていただくために、この本のエッセンスをお伝えしようと思います。(代表理事 安田光一)

私が「おもしろ科学たんけん工房」を立ち上げるキッカケになったのはこのホームページの文章に触発されたためです。”発見工房クリエイト”のホームページには、このように記されていました。
「発見工房クリエイトの目的は、……遊びを通して子ども達に先ず体験させ,彼らがこれまで知らなかった不思議なことがらが起こるのを見て「なぜなのだろう?」と自分で考え始めた時に、それを探求へと誘導して創造的思考力を育成しようとするものです。」

科学する楽しさと、手作りで何かを完成させる喜びを身体で感じてほしい遊びながら学ぶ環境の中でドキドキしたりふしぎさを発見したり自分から積極的に探求し自分で考える習慣を身につけるそんなことができるような時間と場所を作り出したいと私たちは考えました。

「遊びを通して子ども達に先ず体験」「遊びながら学ぶ環境の中で……ふしぎさを発見したり……」言い方は少し異なるものの、「遊び」がキーワードであることは共通しています。そして目指しているのは「自分で考え始めた時に、それを探求へと誘導して創造的思考力を育成しようとする」ことであり、「自分から積極的に探求し自分で考える習慣を身につける」ことなのです。このホームページで述べられていることは、本当の「学び」のためには、実は「遊び」が欠かせないということです。目的は、自立した「学び手」を育てることが大切であって、知識を伝えることが目的ではない……ということなのです。

しかし、なぜ「遊び」が「学び」に欠かせないのか?それを見事に解き明かし、説明してくれる素晴らしい本があることを最近、友人が教えてくれました。それがこの本です。この本は、「おもしろ科学たんけん工房」が目指していることを、実証的にも、理論的にも裏付けてくれる素晴らしい本です。まず、この本の翻訳者の吉田新一郎氏の解説が素晴らしいので紹介します。

ー翻訳者 吉田新一郎氏の解説ー
【自立した学び手をどう育てるか】私の最大の関心事は、「自立した学び手をどう育てられるのか?」です。……数多くの教員研修をワークショップ形式でやらせてもらったことで、学校にまつわるいろいろな問題を知ることになりました。その筆頭が、「先生たちは教科書をカバーする授業はできても、子どもたちが主体的に学ぶ教え方は苦手」というものでした。要するに、「自立した学び手ではなく依存した学び手」を作り出しているのです……。まず、子育て中の親に読んでほしい。(続く)

遊びが学びに欠かせないわけ(自立した学び手を育てる)
・ピーター・グレイ(ボストンカレッジ心理学教授)著 吉田新一郎訳
・築地書館 定価:本体2400円+税
・2018年4月18日初版発行

⇒  [コラム]書籍「遊びが学びに欠かせないわけ〜自立した学び手を育てる」のご紹介2
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