[コラム]世界一周船の旅<1>(北1地区 久保田尚子)

オーシャンドリーム号

2018年9月1日から12月17日まで、夫と共にピースボート99回クルーズに参加いたしました。横浜港を出港して西廻りで108日かけて24寄港地をめぐります。私の伴侶は12年前に患った脳梗塞の後遺症で右片麻痺があるので一人で歩くのがやっと。荷物を持つことが出来ないので、普通の飛行機や列車の旅は難しく、船旅となりました。家から横浜の大桟橋に停泊しているオーシャンドリーム号へ宅配便で荷物を送れば、あとは身一つで乗船できます。寄港地に着いてからも、1日観光し疲れて帰ってきても、とにかく港まで戻ればすぐ乗船し、シャワーを浴びてベットで横になれるという、まことに高齢者には嬉しい旅です。(写真をクリックすると拡大します)

世界一周の経路(出典:ピースボートHP

ピースボートが始まったのは1982年の家永三郎の教科書問題がきっかけです。「教科書では本当の歴史を学べないのではないか?日本はアジアで何をしてきたのか?」と疑問を持った若者たちが船をチャーターし実際に現地へ行って自分たちの目で事実を確かめました。このようにして始ったピースボートクルーズですので、発足当時とはずい分変わったとはいえ船内の生活は一般の商業大型船のクルーズとは一味ちがっています。

今回のクルーズは参加者1000名(0~30才代:26%、40~50才代:13%、60才以上:61%)日本人と外国人の割合は7対3、内訳は、日本人720名、台湾人100名、中国人100名、シンガポール人40名、マレーシア人40名。乗組員は400名でした。

長い航海中は船ならではの、いろいろな楽しみがあります。ピースボート側で企画されたイベント、水先案内人による講演、ワークショップ、各種カルチャースクール、それからピースボートならではの、乗船者自らがその経験や経歴を生かした自主企画講座が、毎日目白押しです。水先案内人は国内外のジャーナリスト、エンターテイナー、作家、NGO活動家等で訪問する国々の文化や歴史、社会問題をわかりやすく解説してくれます。カルチャースクールも語学をはじめとしてダンス、ヨガ、絵画、etc.いろいろあります。

私は太極拳と和太鼓に挑戦しました。自主企画講座はそれこそ多岐にわたっており、クルーズが進むに従って活況を呈した感があります。元証券マンによる「お金の雑学講座」と題した10回くらいのお話や元テレビ局のプロデューサーが「報道番組の舞台裏」というタイトルで数回映像を交えながら話をしました。私も「おもしろ簡単工作教室」を15回開きました。

船内でおもしろ簡単工作教室を開催

寄港地では朝7時ころ入港し、夜11時ころ出港するというパターンが多かったですが、港によっては2日~4日停泊することもあり、多彩なオプショナルツアーから其々の興味に合わせて行き先を選択したり自由行動したりします。

シンガポールのガーデンズバイザベイから「マリーナベイサンズ」を望む

シンガポールを象徴するホテル「マリーナベイサンズ」からの眺め

今回の旅は主に北半球でしたので、9月中旬シンガポールの前後で2回「赤緯赤経体験」をしました。これはちょうど頭上に太陽がくる所を通過するのでその時デッキに出ると影ができないのです。

モルディブ・マーフシ島

モルディブを後にしてインド洋を西に進むとここは今でも海賊が出没する難所です。船の中では海賊対策の避難訓練が行われ、夜は灯火管制のようなことも行われます。自衛隊の船に護衛されながらソマリア沖を航行しアデン湾の出口まで来ると護衛艦とお別れします。6年前にピースボートに乗ったという友人は実際に海賊に襲われそうになって大変だったという話をしてくれました。海賊船を退避させるために船をジグザグにすすめます。大型船がジグザグにすすむと大きい波が発生し、小舟は近寄れないのだそうです。その為、乗船客はほとんど、すごい船酔いになったようです。今回は幸いなことに海賊に会わず紅海に入りました。紅海に入ると気温は一気に上昇します。もうすぐスエズ運河です。

スエズ運河

スエズ運河は紅海の西端から地中海までの193.3kmです。左手にはエジプトの町、右手にはひたすら砂漠が続きます。1869年に開通し、その後何度か拡張工事が行われました。紅海と地中海では水位に差がないため運河には閘門はありませんが、通行にあたっては最近まで南北どちらかの一方通行でした。船のすれ違いはバッラ・バイパスやグレートビター湖など4か所で行われます。

運河通過中は時速15 km(8ノット)程に制限され運河の岸が波で浸食されることを防いでいます。このため運河を通過するためには待ち時間を含めると11時間~16時間は要します。2010年の拡張工事後は超大型タンカー以外ほとんどの船が通過できるようになりました。2015年に新スエズ運河が完成し、今では大半の区間で船が同時双方向に航行できるようになりました。2001年に日・エジプト友好大橋が総工費220億円をかけて建設されました。橋の前後の道路を加えると全長9km(橋梁部分約4km)の美しい橋です。建設費の60%を日本が無償協力しています。(続く)

日・エジプト友好大橋

⇒ 世界一周船の旅<2>へ https://tankenkobo.com/wp/2019/05/24/worldtravel2/

[コラム]世界一周船の旅<1>(北1地区 久保田尚子)” に対して1件のコメントがあります。

  1. 桝田礼三 より:

    久保田さん

    ピースボートへの乗船ありがとう。
    近いうちにクラス会で会いましょう。

    桝田礼三

  2. 廣瀬隆夫 より:

    私も、世界一周したような気分になりました。
    ありがとうございました。

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