[コラム]北海道の旅で傘寿祝う(東地区 尾崎 直人)

8月に傘寿を迎える夫の希望で、7月下旬、北海道を巡るツアーに2人で参加した。朝9時ごろ、新千歳空港からバスで道内中心部へ。車窓からは大麦やビートなど広大な畑が続く。富良野、美瑛へ起伏ある丘一帯をラベンダーなど、かれんな花々が染めていた。

旭山動物園から温根湯温泉の宿へ。翌朝、「博物館網走監獄」を見学した。道内開拓に重要な役割を担った囚人らの史実と映像に涙した。オシンコシンの滝から原生林の広がる知床の湖へ。専門ガイドの案内で高架木道を通り、知床五湖の一湖を散策。湖面に映る知床連山の山容は見事だった。

タ方、知床半島巡りのクルーズ船に乗り込み、海岸断崖が織りなす迫力ある世界自然遺産の景観を満喫した。最終日は国後島を望む知床峠、地球の丸さを体感した開陽台、タンチョウヅルを眺めた釧路湿原など足早ながら、壮大な自然に触れた旅だった。
(神奈川新聞 2019年8月29日 朝刊 横浜市金沢区 主婦 尾崎 亮子)