[コラム]戸塚教授の「科学入門」(東地区 島田 祥生)

こんな面白い本、読まなかったなんて!『 戸塚教授の「科学入門」』(東地区 島田 祥生)

何となく気になった記事を切り抜いて、ため込む癖があります。ここのところの自由な時間、貯まった切り抜きに目を通していて、右のような記事が目に留まりました。あの、ノーベル物理学賞の小柴先生の愛弟子で、有名な実験装置「スーパーカミオカンデ」を使って、ニュートリノに質量があることを見つけた戸塚洋二先生。文化勲章を受けています。「ノーベル賞に最も近い日本人」と言われながら、惜しくも66歳で癌のため他界しましたが、生前、後進のために書き溜めていたメッセージの一部です。

早速Amazonから取り寄せ、それでも1週間ほど経ってからようやく意を決して、えいやっと、真ん中あたりを開いて読んでみました。たまたま植物の話。引き込まれました。その章から、前へ前へ。そして後ろへ。分かりやすい!すごい!ダーウィン、ガリレオから始まって、アインシュタイン、ニュートン、などなど。科学史に登場する偉人たちと会話したみたいに、自由奔放な語り口。今までなんとなく敬遠していた、アインシュタインの特殊相対性理論の有名な式:E=mc²を駆使し、しかし物語を聞いているように、科学の世界に引き込まれました。

中学生あたりでかんたんに読み下せそうで、これは、みなさんのお孫さんにもおススメ。いやいや、誰もが引き込まれるのではないでしょうか。(もう読んでいたらごめんなさい!)16万光年先の超新星から届いた、わずか18個のニュートリノ。それを分析して、その超新星の姿を教えてくれるなど、まさに物理学のロマンに浸ることができました。光の話は、ちょっと歯ごたえがありますが、何故か分からないなりになるほどと納得。勿論、ニュートリノについても ・・・、おもしろかった。読み返してみたい、一冊です。戸塚先生の笑顔にだまされたと思って、とにかく手に取ってみてください。